憑依とは、タルパになりきることを指す言葉です。
タルパは別名『人工未知霊体』と呼ばれ、オカルト的な見方をすれば霊の一種となります。
そのため霊が取り憑くことを意味する『憑依』という言葉が使われていますが、タルパの憑依は一般的に想像される霊の憑依とは全く異なるものです。
『憑依』と聞けば霊や悪魔などに体を乗っ取られることを想像するかもしれません。
しかしタルパ保持者の中で使われている『憑依』はそのような怖いものではありません。
タルパの憑依はコントロールが可能です。コントロールできない場合は『憑依』とは呼ばず『暴走』という言葉が使われます(暴走という言葉はタルパに責任転嫁しているのではないかという批判的な意見もありますが…)。
いわば『なりきり』に非常によく似ています。
ただ、なりきりと異なる所はタルパの憑依は単なる演技ではなく性格まで入れ替わるという事です。
このような事は解離性同一性障害(DID)の人格交代に似ているため「意図的に解離性同一性障害を引き起こしている」と言う人が時々いますが、憑依はコントロールできて解離性同一性障害はコントロールできない、憑依は記憶が保たれていて解離性同一性障害は記憶障害があるという違いが見られるため病的なものではありません。
英語圏では『憑依』を表すために『Switching』『Possession』『Eclipsing』という3種類の言葉が使われます。
全体的な憑依か部分的な憑依かで呼び方が変わってきます。
『Switching』は全体的な憑依を表します。
あなたが言動だけでなく性格もタルパのものになっていてタルパの視点でものを見ているのなら、それはSwitchingです。Switchingと呼ぶためは完全に保持者の感覚を消し去る必要があります。
『Possession』は部分的な憑依を表します。
あなたが自身の人格を保ちながらタルパとして文を書く、タルパの絵柄で絵を描く、タルパの声で話したり歌ったりする場合、それはPossessionです。
Possessionは全体的な憑依に対して使われる事もありますが、Possessionをしている時は自分とタルパの両方の思考が働いています。
この「複数の思考が働いている状態」の憑依をEclipsingといいます。
Switchingの場合、ものの考え方は完全にタルパのものとなります。
つまりまとめると、
Switching → 保持者の思考や感覚は無く、完全なタルパとしての思考と感覚を持っている憑依
Possession → 保持者の身体感覚を伴いながら体の一部あるいは全体をタルパに貸す憑依
Eclipsing → 保持者の思考とタルパの思考が混ざり合った状態で行う憑依
となります。