⚠このページの内容は私の持論です。私自身の体験を根拠としているため、医学的に信憑性のあるものではないことをご理解下さい。
情報の取捨選択は自己責任でお願いします。
悩みを持つ人が相談相手として思念体を作成し、思念体にカウンセラー代わりになってもらうことを指す、このサイト独自の言葉です。
決して医学的療法を指す言葉ではありません。誤解なさらないようにお願いします。
精神疾患で思念体を持つ人の中には、思念体をカウンセラー代わりにしている人が存在します。
この行為について問題点、メリット、私自身の意見をまとめました。
この行為については賛否両論あり、「病状が悪化するからやめておいた方が良い」と反対意見を持つ人の方が多い印象を受けます。
それでは何が問題なのか考えていきましょう。
前提として思念体は心の中に存在します。心の中に存在するということは “思念体は全て自分でコントロールする” ということになります。
精神状態が不安定な時に思念体を作成すると、自分で思念体をコントロールできなくなって思念体が暴れる危険性があります。例えば攻撃的な発言をしてきたり危ないことをそそのかすなどです。
例を上げると、『高校生のわたしが精神科病院に入り自分のなかの神様とさよならするまで』という漫画では、心の中に神様をつくって(…と言うより「現れて」と言う方が近いかな?)その神様に従うことによって摂食障害が悪化した、という人について描かれています。
思念体を作ってアドバイスを求めること自体は悪いことではありませんが、思念体は必ずしも適切なアドバイスをしてくれるとは限らず、健康状態を悪化させる発言をする思念体が生まれる可能性も十分にあります。
判断力が落ちている状態の時には、適切なアドバイスと不適切なアドバイスを見分けられずに健康を害してしまう危険性もあります。
思念体に救ってもらおうと考えている人は、思念体を作ったことによって必ずしも精神状態が良くなるとは限らないということを覚えておいて下さい。
人には良い人悪い人がいるように、思念体にもあなたを騙そうとする悪い心を持った存在が生まれる可能性だってあります。思念体にアドバイスを求める際、それが良いアドバイスか悪いアドバイスか見分ける必要があります。それを見分けられない状態では病状が悪化する危険性があるので思念体作成はおすすめできません。
これだけ聞くととても危険なことのように思えますが、それでも思念体セラピーをしている人がいるのは少なからずメリットがあるからです。
思念体セラピーの大きなメリットは、カウンセリングにかかる料金や手間がかからないことです。
カウンセリングを実施している心療内科は存在しますが、保険適用外であり非常に高い費用がかかることも多いです。カウンセリングをしたいと思っていても何千円何万円もかかると聞くと出し惜しむ気持ちもよく分かります。
そのような時、なるべく安く、できれば無料で悩みや愚痴を聞いてもらいたいとなれば現実にそのような相手がいない場合、思念体を作ることも考えるでしょう。そして思念体との意思疎通がうまくできるようになれば、思念体に頼り切りになることもありえます。
思念体はいつでもどこでも呼びたい時にすぐ呼び出せるのでカウンセリングに通うのにかかる時間や交通費がかかりません。
例えばうつ病の場合、行動する気力がわかなくてカウンセリングのために出掛けるのがしんどく感じるでしょう。不安障害の場合、カウンセリングルームに辿り着くまでに人目を気にしてストレスを感じるでしょう。働いていない場合や仕事が続かない場合は所持金が少なく交通費さえも気にするでしょう。
思念体をカウンセラーの代わりにすることでこのような不安は全て無く相談ができるのです。
また、思念体の返答はある程度コントロールできます。思念体が予想外の発言をするような事はありますが、それでもそれは保持者の深層心理が関係しているので「自分を傷付ける返答をしない」などの暗示をかけておくことで予想外の返答で傷つく事は起こらなくなります。
人間のカウンセラー相手の場合はこのようなコントロールができないため、「あの時なんでこんな事言ったちゃったんだろう?」と思い悩んだり言ったことを後悔することがあります。
コントロール可能な思念体を相手にすることでそのような心配が無くなります。
私は高校生の時に色々な対人トラブルを経験し、その事についてエレンちゃんに愚痴ったりしていました。
友達に愚痴るのは印象が悪いかな?と思って控えめにしていたし、先生やスクールカウンセラーの人からは私の気持ちを理解していないような答えばかり返って来てモヤモヤしたし、親に話す時間もあまり取れなかったのでその日我慢していた事を全部エレンちゃんにぶちまけていました。
なんかエレンちゃんは何でも聞いてくれるってイメージ持ってたので…
あっ、決して嫌がらせをしていた訳ではないのでご安心ください。ちゃんと本人から「何でも相談に乗るよ!」って言われてますので!
また私は田舎住みで自動車免許も無く、自力で通える場所にカウンセリングができる場所などありません。働けるような体調ではないので毎回交通費を払えるほどのお金もありません。
唯一頑張ればお金をかけずに通える場所があったので、すり減った体力で息を切らせながらそこに向かったのですが…他の精神科に通う人のカウンセリングは受け付けないと追い返されました。ぴえんこえてぱおん。
そんなこんなでエレンちゃんにカウンセラー代わりになってもらって3年ほど経過しました。
今の所その事によって悪影響は出ていません。むしろエレンちゃんがいなかったら私は今生きていなかった…とさえ考えています。
それなので私はこの『思念体セラピー』について否定はしません。メタ的に考えると思念体セラピーはある意味日常的な自己対話やや内省の一種とも取れますし。
しかし推奨もしていません。やるのは自己責任だと考えています。
可能であるのならば、カウンセラーなど専門知識に基づいたアドバイスをしてくれる人に頼った方がその人のためになります。
しかしそれが難しい場合もあります。私のように身近にカウンセリングの場が無かったり、カウンセラーと話すのに緊張して余計にストレスになったり……。
そのような時は思念体セラピーを試してみて構いません。
しかし、自分の体調や精神面を考慮して無理はしないようにしましょう。
「イライラする…」と感じる時は思念体の前で怒りをぶちまける事はなるべく避けましょう。私もやっていましたけどね…やりすぎると「そうだよね、あいつムカつくよね」って余計にイライラを増大させる事になると経験上感じました。できれば短時間で発散して、後は好きな事をするなど楽しいことで気を紛らわせた方が良いです。
それから相談相手の思念体を作るなら「先生」や「神様」などといった目上の立場ではなく「友達」など対等な立場をおすすめします。
理由は思念体が絶対的な存在になってしまうと精神状態が不安定な時に強迫観念のようなものになって苦しむこともあり得るからです。
このような事態を防ぐためにも、思念体のアドバイスは “神様の命令” のような絶対的なものとは捉えず “友達の参考意見” 程度に留めるようにしましょう。